人生に、悩みや苦しみはつきものです。
健康な人にも、不安や恐怖はあります。
「トム・ソーヤーの冒険」の著者、マーク・トウェインはこう言いました。
誰しも、時には悲しみやショック、心配などで、なかなか気持ちの整理がつかないこともあると思います。あるいは、食事がのどを通らない(食欲の低下)、眠れない夜を過ごす(不眠)、全身がだるい(全身倦怠感)などの、体の症状を伴うかもしれません。
このような心身ともに辛い状態を来していても、それが一過性であるならば、まあ健康と言えるでしょう。
今は正直しんどいのだけれども、そのうちまた何とかなるのかなと思えていて、食欲や睡眠などの体調が普通で、仕事や家事、勉強が大体こなせていれば、必ずしも治療の必要性はないでしょう。
しかし、苦しい期間が少し長引いている、あるいは、良くなったり悪くなったりを繰り返す、どうもすっきりとしない状態が続いている場合は、健康と病気の中間、いわゆるグレー・ゾーンに入っている可能性があります。
この段階ですと、自然に軽快していく可能性もありますが、そうとも限りません。医療機関に受診されるのも一つの方法です。その際は、心療内科や精神科ではなく、体調の問題を気にされて、内科や整形外科、婦人科に受診される方が多いようです。
一方で、明らかな病的症状というものもあります。
例えば、気分がゆううつな場合、これがほとんど毎日、一日中、2週間以上も持続しているとなると、うつ病である可能性があります。
健康な人が経験している不安も、度を越して行くと、病的な不安へと発展していきます。
正常な不安ではない、病的な不安とは、次のような場合をさします。
- 特に理由もないのに、強い不安がある。
- パニックなどの、心がかき乱されるような激しい不安がある。
- 不安が一時的ではなく、予想をはるかに超えて長く続く。
- 動悸や呼吸困難、震えやしびれなどの、不快な身体的症状を伴っている。
- 生活に大きな悪影響がある。
これらの点がたくさん当てはまれば当てはまるほど、病気の症状と言えるでしょう。
つまり、あなたが心配されている症状が、ある病気の症状の記載(色々なネット情報、特に厚生労働省や医療機関のサイトの記載)と同じであるだけではなく、その症状の程度が強く、長く、生活に悪影響があり、あなたの行動力を落としている場合、病気の症状である可能性が高くなっていきます。
このような段階であれば、心療内科や精神科の門をたたかれることをお勧めします。